培養細胞が拓く未来

Nova Advanced Cell Science Seminar 2023

主催:ノバ・バイオメディカル

参加費
無料
同時ライブ配信
培養細胞が 拓く未来
培養細胞が 拓く未来
培養細胞が 拓く未来
培養細胞が 拓く未来

2023年8月29日(火) 13時~
会場:AP品川 / 同時オンラインライブ配信

【培養細胞や培地と向き合い、細胞・遺伝子治療を一歩先へ】
プログラム・抄録

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13:00 - 13:05 ご挨拶および本セミナーに関するご案内

遺伝子・細胞治療の高度化に向けた培養細胞や培地の重要性

演者:岡田 尚巳 先生 | 東京大学医科学研究所 遺伝子・細胞治療センター センター⾧/教授

≪講演概要≫

遺伝子・細胞治療に関する基盤技術の研究開発においては、ヒトまたは動物の細胞に加工を施した治療用の特定細胞加工物/再生医療等製品や、ウイルスベクターの複製に必要なホスト細胞の改良や開発が活 発に推進されている。細胞に加工を施す際には、遺伝子改変やスクリーニング技術に偏りがちであるが、培養工程や培地成分といった基本要素を調整し管理することが、製品の安全性・品質、製造生産性やコス トに大きく影響する。今回のセミナーでは、遺伝子・細胞治療の開発や製造を高度化するうえでの、培地成分分析の重要性にフォーカスを置く。

再生医療等製品の製造管理及び品質管理に関してはGCTP 省令が医薬品GMP とは別の規制体系として整備されており、細胞の入手、加工、品質確保、汚染管理が規定され、再生医療等製品に特有の品質リスクの評価や管理が求められる。再生医療等製品は、原料となる細胞の性質が不安定であり、安全性や有効性と相関が高い品質特性を厳密に特定することが困難である。このため、最終製品の規格試験のみで管理するのではなく、QbD の考え方を取り入れ、原材料管理、工程内管理や中間製品試験によって変動やばらつきをモニタリング・制御し、製品のデザインスペースを確保する品質管理戦略が重要である。このため治験の際には、工程内において安全性や有効性と相関が高いと期待される品質特性を可能な限り正確にモニタリングし、重要品質特性になり得る試験項目を設定しておくことが求められる。

モニタリングに際し、実施体制や手順書・記録書が施設の事情に応じて整備されるが、記録の要件として、真正性、信頼性、利用性、完全性がポイントとなる。アカデミアやスタートアップでの探索研究の段階から、プロセス開発や本格製造に至るまで、スケールアップにおける信頼性の高い培地成分分析は、ロット内・間の均質性、治験薬と市販後製品の一貫性、同等性を維持する上で極めて重要である。

羊膜由来間葉系幹細胞の細胞製剤化と治療応用

演者:林 真広 氏 | 株式会社カネカ 再生・細胞医療研究所

≪講演概要≫

間葉系幹細胞(MSC)は、骨髄を初めとして、脂肪、胎児付属物(胎盤、臍帯、羊膜など)等の様々な組織に存在する細胞であり、低免疫原性・抗炎症作用・組織再生作用・炎症部位への遊走能などの特性を 有しており、再生・細胞医療用の細胞として利用することができる。すでに国内外問わず複数のMSC 製剤が上市されており、その有用性が証明されている。
株式会社カネカ及び複数の連携医療機関は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の産学共同実用化開発事業(NexTEP)の採択を受け、ヒト羊膜由来間葉系幹細胞(羊膜MSC)を再生医療等製品として社会実装すべく研究開発を進めている。羊膜は、胎盤の最も胎児側に位置し、胎児及び羊水を包んでいる半透明の膜であり、その組織を構成する細胞は全て胎児由来である。胎児由来の細胞は幼若であることから、優れた細胞特性を有していると考えられている。また羊膜は、医療廃棄物であるため採取時に新たな侵襲を伴わないことや、国内での安定調達が可能であるといった特徴を有しており、再生医療等製品の原料として有望である。しかし、羊膜からMSC を分離する手順は煩雑であり、さらに羊膜MSC は一 般的な培養培地(基礎培地+FBS)では十分に増殖させることが難しいことから、工業的規模での培養(製造)には不向きと考えられてきた。そのため、羊膜MSC は骨髄、脂肪、臍帯のような他の組織由来のMSC と比べて論文報告は少なく、臨床試験も限られている。
そのような状況の中、我々は羊膜MSC を工業的規模で製造するための技術開発を行い、羊膜MSC の簡便な分離方法や、高増殖培養技術を確立して、羊膜MSC の細胞製剤化に目途を付けた。すでに非臨床 試験も完了しており、デュシェンヌ型筋ジストロフィー及び急性期脊髄損傷に対する治験(第I/II 相臨床試験)を開始した。両治験とも被験者のリクルート中であり、近日中に1 例目の組み入れが行われる 予定である。本セミナーでは、製造技術開発から治験開始に至るまでの羊膜MSC 研究開発の取り組みについてご紹介する。

バイオ医薬培地開発~抗体医薬・細胞治療培地から遺伝子治療培地に向けて~

演者:片山 貴裕 氏 | 味の素株式会社 バイオ・ファイン研究所 マテリアル&テクノロジーソリューション研究所

≪講演概要≫

2000 年代以降、動物細胞を用いたバイオ医薬品製造は急速な発展を遂げてきた。当社ではバイオ医薬品のなかで、抗体・細胞治療・遺伝子治療向けの培地開発に取り組んでいる。
抗体や遺伝子治療用のウイルスベクターは主に動物細胞を培養することで生産されており、細胞治療においては、まずiPS 細胞を未分化状態で高密度に増殖させ、その後目的の細胞へ分化させる培養が検 討されている。これらの動物細胞を安定的に培養し、かつ目的物の高生産を実現するためには、細胞に最適化された培地を使用することが望ましい。動物細胞用培地はアミノ酸、ビタミン、ミネラルなど約50 ~80 種類の成分から構成されており、各細胞に最適化された培地組成を設計することが非常に重要となる。そのため、培地中に含まれる微量な成分から高濃度な成分まで安定的かつ高精度に分析すること、ま た培養液中の栄養素の消費量を分析したうえで、細胞特有の代謝に適した成分バランスを見出すことが要求される。本報告では、抗体医薬、細胞治療、遺伝子治療のそれぞれの医薬品における培地開発につい て報告する。
抗体医薬製造は主にCHO 細胞が使用される。本講演では、細胞内の酸化還元反応に重要な栄養成分の一つである一方で、液体中では安定性が低く、業界内において取り扱いに課題があった L-システイン の安定化技術にフォーカスして紹介する。細胞治療では、アカデミアとの共同研究を通じて iPS 細胞における代謝解析を実施し、未分化能を維持しつつ高い増殖性を実現するための重要な因子を見出した事例を紹介する。
遺伝子治療は、抗体医薬用培地開発と異なり、細胞増殖とウイルス産生に加えて、トランフェクションの3つのバランスを整える必要があり、培地組成の最適化がより複雑である。現状、ウイルス生産性や空ベクター発生をコントロールできないことが業界の課題であり我々は培地による課題解決に取り組んでいる。本講演では、現在明らかになっている遺伝子治療培地開発における技術的な課題 と当社の開発事例について紹介する。

培養条件最適化を加速するHEK 培地とプロセス開発ソリューション

演者: 秋山 栞里 様 ザルトリウス・ステディム・ジャパン株式会社
フィールドアプリケーションスペシャリスト(細胞株開発、培地、各種試験)

効率的な細胞増殖のための細胞培養条件の最適化と自動サンプリングシステムの導入(培養液分析装置、高速セルカウンター、オンライン型分析システム)

演者: 吉田 和央 ノバ・バイオメディカル株式会社 営業部

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